棚橋弘至 vs 天山広吉
プロレス界、現状は酷い低迷ぶりだ。
一部、プロレスリング・ノアはまだ良い状況と聞く。 その中で行われたIWGPヘビー級選手権試合 『棚橋vs天山』 。
相次ぐ選手の離脱、そして観客の減少、 落ちる所まで落ちた新日本プロレスである。 私は昔から新日本プロレスがそれ程好きでは無い。 しかしこの試合、久々に感動させてもらった。
棚橋という男。これから応援していこうと思う。 何年か前の深夜番組。棚橋はこう言っていた。 『子供が憧れるレスラーになりたい』、『プロレスラーになりたいと思わせたい』 と。
今、プロレスラーに憧れる少年はどれだけいるのだろうか。 多分、殆どいないだろう。それだけ魅力の無い世界。今はこうだ。 ただ、棚橋はそれを変えてくれるレスラーなのかもしれない。 この選手権試合を見て、私は感じるものがあった。
上の世代には、永田、天山、中西と時代を掴めなかったレスラー達がいる。 今回、対戦相手の天山には決意が少し見えたような気がした。 ただ、現時点に限って言えばもう遅いのである。
試合前、棚橋が天山に対して、 『何度チャンスをもらえば気が済むんだ』 と言っている。 本当にこの言葉に尽きると思う。 天山の意識も少しはマシになったと思うが、棚橋はそれ以上に考えている。 プロレスを真剣に考え、そして取組んでいる。
プロレス界の"常識"からすれば、まだまだ若すぎるチャンピオン。 しかし腑甲無い先輩レスラー達の"おかげ"でこの地位に今はいる。 世間は一言ある様だが、何も恥じる事は無いし、 立派なチャンピオンだと私は思う。
今回の結果も、意識の違いが棚橋の"勝ち"となっていると私は考える。 そして、プロレス界のチャンピオンであると思う。
正直シビアなプロレスを展開してきたノアでさえ、 今は胡坐をかいている気がしてならない。 今こそ "棚橋" 是非、世間が納得する強さを兼ね備えたレスラーになっていって欲しい。
その昔、天龍離脱後の全日本プロレスで、ジャンボ鶴田はこう言った。 『ファンをを引っ張る試合、そして強さを見せていく』と。 看板の天龍が抜け、新世代として登場した三沢光晴に負けてからの事である。 あの鶴田が決意をし、また、三沢もタイガーマスクを脱ぐという決意をした。 これには天龍を含めた大量離脱で、全日本プロレス存亡の危機を迎えたから。
あのノアが "ぬるい" 感じで流れているのだから、 益々プロレス界の "危機" は続くだろう。
今回の棚橋には並々ならぬ決意を感じた。 そしてあなたの意識に感動した。 私は応援しか出来ないが、この状況を打破してくれる存在だと信じている。
